『人間臨終図巻』からひと掴み①

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

みなさんは『人間臨終図巻』という本をご存知でしょうか?
『魔界転生』で有名は山田風太郎が全3巻に渡って書いた(現在は文庫で全4巻となっています)、“世紀の奇書”と呼ばれている作品です。
写真は2巻分ですが、実際は全4巻あります
古今東西の歴史的人物の“最期”をひたすら“若い順”で書かれてゆく作品です。
ひとりひとりの記述が多くて2ページにも満たないので少しずつ読み進めてゆくことも可能ですし、読むことが遅い人でも十分楽しいめる作品です。

私も人生の“最期”に関係する仕事を始めたということもあって、関心がつながったのでしょう。少しずつ読み進めているところです。

20代、30代と自分より年下でこの世を去った人物たちの最期を読んでいると感じることが多くあります。自分より年上の人物は人物で感じることはまた違うのだと思います。

そんな多くの歴史上の人物の記述の中で、たった7行だけしか書かれていない人物がいます。

天一坊

ご存知でしょうか?
8代将軍・徳川吉宗の落胤として世に出てそれがニセモノだとわかり処刑されたという人物です。

あまりにあっさりそのニセモノであるという経緯が書かれてあるだけで、“獄門になった”の一言で終わっています。

人の生涯とその最期の虚しさを実に色濃く表現している“7行”です。
寂しい限りです。


しかし、この天一坊、『人間臨終図巻』から場所を変えるとこの7行ではとてもじゃないけど済まない伝説の人物と化します。

この天一坊は講談の連続物の名作『徳川天一坊』の主役その人なのです。

講談の『徳川天一坊』は全20話にわたる超大作です。
“大岡政談”と講談の世界では呼ばれる名作があるのですが(あの有名な大岡越前の名さばきが登場してくる作品という意味です)、そのうちの一つに数えられています。

初代の神田伯山はこの『徳川天一坊』を読めば天下一で、当時は「伯山は天一坊で蔵を建て」という川柳が読まれているほどです。徳川天一坊という伝説の悪人“ダークヒーロー”の物語は当時の人々を熱狂させました。

そのような歴史があるものですから、講談の神田派では『徳川天一坊』を習得することが一つの憧れになっています。

6代目神田伯山がこれからどのような『徳川天一坊』を表現してゆくかは講談の歴史においてとても重要なことになります。これからの楽しみですね。


たった“7行”で記述されて終いになった天一坊ですが、世界を変えると凄まじく詳しく物語が語られ、重要な価値となっています。

人生は複雑で分厚いのだなと改めて思います。
天一坊に限らずどんな生涯にも語れば終わりのない中身の“濃い”物語があるのだろうと信じて止みません。

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