物語というものがある

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

ほっこりしてウルっとくるツイートを・・・。
M-1グランプリで優勝をしたウエストランドがK-PROさんのライブに凱旋。
K-PROさんの代表である児島さんのツイートです。

K-PROとは東京の吉本興業に属していない芸人さんにとってお笑いライブの舞台を用意してくれている興行会社です。

吉本興業は自前の劇場を大阪にも東京にもそのほかの都市にもたくさん持っていて、所属の芸人さんがお客さんの前で芸を磨く場所が確実にあるんですね。

一方、吉本興業に所属していない芸人さんは吉本さんのような常設劇場がなくて、せいぜい所属事務所主催のライブを1か月に1回できればいいみたいな環境だったりするんですね。

そんな芸人さんたちのためにK-PROという会社はナルゲキという劇場を昨年設けて常設劇場を作りました。
そのほか、連日のようにお笑いライブを開いて非吉本芸人が芸を磨く場所を提供してくれています。

実はウエストランドはK-PROライブに頻繁に出ている、いわば“K-PRO”芸人なんです。
爆笑問題さんが出てくる所属事務所のタイタンライブは2か月に1回です。
それだけで漫才の腕が磨かれるのは難しい。

それでK-PROさん主催のライブに頻繁に出ているんです。

その背景を説明した上で児島さんのツイートを読むと感動するんですよ。
Aマッソの加納さんも、ウエストランドの優勝を見たときに最初に浮かんだのが児島さんの顔だったと言っていました。
AマッソもK-PROさんのライブに頻繁に出ている芸人さんです。

ウエストランドの井口さんがかつてこんなことを言っていました。
あの愚痴芸での一コマですが、芯を食っていて私は衝撃を受けました。
それは何かと言うと、「吉本の若手芸人は舞台に出ることを“仕事”というけど、僕ら劇場がない芸人は自分達がお金を出してでも舞台に“出させてもらう”。お金を出してでも芸を磨こうと出るのが舞台。お金をもらって“仕事”って言っている吉本の若手芸人とは全然違う」。

こういう話をかつてしていたんです。
吉本さんがいかに恵まれているかという話と、吉本所属じゃない芸人さんがいかに壮絶かという話が思い切りわかる話ですよね。

こういう悔しい気持ちがあの日のウエストランドの漫才に込められていることを私は知っているんです。

だから私には、あの漫才が単なる“悪口”だとは全然思わないんですよ。

鬱屈した恨みつらみが込められて、それがエネルギーになった表現があの漫才だと思っているんです。
だからとても面白かったし痛快だった。

そんな“物語”がたくさんあって、優勝があって、昨日のK-PROさんへの凱旋があったんです。

もうK-PROさんはお笑いの中心です。
すごいことだなぁって思います。
来年からはK-PROさんのライブが連日大盛況になってゆくんでしょう。

実はモグライダーだって真空ジェシカだってランジャタイだってK-PRO芸人です。
不思議なことに真空ジェシカは今年の下半期はK-PROさんで見る事はなかったなぁなんて思いますが・・・。

Aマッソは来年はもっとたくさん舞台に立つと言っていました。
売れっ子になってきているのにこういう発言するとすごいなぁって思います。

ウエストランドは来年どれくらいK-PROさんの舞台に立ってくれるんでしょうか。
極力舞台に立ってほしいなぁと勝手に思いますが、それは客のわがままでしょうね。