読書日記 第20回 『講談入門』

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

今日(12/17)は広島は風が強く、とても寒いです。
先ほどはっぴいえんどの周辺は雪が舞っていました。
今年最初の雪です。
今晩は雪が降るという予報です。
明日の朝はどうなっていることでしょうか?

さて、今回の読書日記は神田松之丞著『講談入門』を紹介します。
折に触れてこのブログでは神田伯山先生と講談の魅力について書いています。
この本は神田伯山先生が6代目伯山を襲名する前、神田松之丞と名乗っていた頃、2018年に出版された作品です。

この作品は講談のことをよく知らない人が講談に触れやすくなるための基礎知識から始まります。
例えば、「落語と講談の違いは何か」であるとか、「高座にある机と、手に持つ扇について教えてください」と言った講談の“イロハのイ”を(当時の)神田松之丞が教えてくれます。

本の中盤では(当時の)神田松之丞さんの全持ちネタの解説があります。
講談のストーリーや、神田松之丞さんの解説が白眉です。

私は伯山先生の講談をYouTubeで見たり、CDで聞いたりするときは必ずこの本を手に持って聞いています。
例えば、YouTubeで100万回以上再生されて大きく話題をよんだ伯山先生の連続物『畦倉重四郎』は全19席あるのですが、その1話1話のストーリーも本に書いてありますから振り返りができます。そして当時の神田松之丞がどんな思い出この作品で向き合っていたかも書いてあって、視聴の幅が広くなって講談を聞くこと、見ることが本当に楽しくなりました。

いわばこの本は私の講談趣味の教科書と言えます。
私の場合、本は一度読破してしまうともう一度読むということはなかなかありません。
しかし、この『講談入門』はことあるごとに開いて、テレビで見かけた講談作品をこの本で引いてみたり辞書みたいにして使っていたりしますね。

そして、この本の残り1/3は今は亡き人間国宝・一龍斎貞水先生と神田松之丞との対談です。
今となってはこの対談は貴重な歴史的資料となりました。
明治や大正期の講談の世界を知っている一龍斎貞水先生の証言は当時から歴史そのもので、とても貴重なお話をこの本で読むことができます。神田松之丞さんの話の引き出し方も私たち素人が読んでも楽しめるように気をまわして頂いているのでしょう、とても楽しく対談を読むことができます。

最後はこの頃の神田松之丞さんの講談への想いや将来への想いを語ったインタビューです。
2018年当時から現座にかけて大躍進して、大名跡を継いで神田伯山となり講談ブームを巻き起こしているわけですが、そんな今からこのインタビューを読むと既にこれは歴史的な証言かもなぁと思います。これは時間が経てば経つほど、“若い頃の伯山はこんなことを言っていた”と残ってゆく貴重な証言となることでしょう。

講談は年齢を重ねれば重ねるほど表現の幅は広がり、変化をしてゆくものです。
きっと将来、人間国宝になるだろう神田伯山が2018年の頃に素人向けにこんなにわかりやすい入門本を楽しく読めるように作ってくれていたとなるのがこの『講談入門』だと思っています。だから取っておいたら未来がさらに楽しくなるでしょうね。

望むらくは、この頃よりも伯山先生のネタは増えているので、その部分だけ“改訂版”が欲しいなぁという気持ちもあったりしますがわがままですね。

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