読書日記 第17回 『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

今回取り上げるのは鈴木忠平著『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』です。
最近、本屋さんでも平積みで目立つところに置いてあって話題の本となっているようですね。
500ページ近くの大著ですが、とても面白くて引き込まれるように夢中になって読みました。
2004年から2011年までプロ野球・中日ドラゴンズの監督を務めた落合博満さん。
この頃の中日ドラゴンズは優勝争いをするのが当たり前の“常勝軍団”。

“常勝軍団”を作り上げた落合さん。
しかし、勝ち続けても“面白くない野球”、“厳しすぎる”などといった悪評を受け、強いドラゴンズのまま退任することになった落合さん。

著者の鈴木忠平さんはスポーツ新聞の記者としてそのころの落合ドラゴンズを取材をしていて、今回、その頃の歴史を整理してノンフィクション作品として発表されたということです。

私は阪神タイガースのファンです。
2000年代のプロ野球セ・リーグは阪神タイガースと中日ドラゴンズが毎年のように優勝争いをしている時代でした。
なので、阪神ファンとしても落合ドラゴンズは“ライバル”として気になる存在であり続けました。
何度も煮湯を飲まされたといいますか・・・。

2008年のクライマックスシリーズ・阪神対中日の藤川球児vsタイロンウッズの対戦はきっと死ぬまで忘れられない名勝負です。

この本に書かれているのは、私が熱狂して阪神を応援して、中日に何度も悔しい思いをさせられていた頃の話でもあるんです。あの頃の中日ドラゴンズに何が起きていたのか?

“何が起きていたのか?”っていささか大袈裟じゃないの?と思われるかもしれません。
しかし、この頃の中日ドラゴンズは当時からチームで何が起きているのか“よくわからない”チームでした。

落合監督の方針で、選手に怪我があってもどの部分を怪我したとか、怪我の理由とかそのようなことは一切公表されなかったのです。そのほか、取材においても落合監督が雄弁に何かを語って何かを説明していたという記憶はあまりありません。

“興行”の側面があるプロ野球において、ファンに向けて語ることが少ないということは当時から批判がありました。
結果、そのあたりの対応が“つまらない野球”というレッテルが貼られ退任につながることになったとされています。

なので10年の時を経て、当時の中日で何が起きていたのか?
落合監督は何を考えてあのように振る舞いをしていたのか?

当時の謎がこの本によって明らかにされる。
そんな期待を持たせてくれるのがこの作品です。

読んで思ったこと。

当時、マスコミやニュースを通して持った落合さんの印象は“多くを語らず、よくわからない人”でした。
この作品は当時落合監督のもとでプレーをした川崎憲次郎や福留孝介、森野将彦などなど選手を取材しながらその選手たち視点と記者である鈴木さんの視点で落合さんのことが語られてゆくのですが、読んだ結果受ける印象は、“やはりよくわからない”でした。

いや、語弊がありますね。
当時の落合監督はファンやマスコミにも多くを語っていないのですが、選手たちにも監督の人間性を露わにしたり何かを多く語ったりしていないのです。

ただあったのは勝つための最善の策を提示すること。

誰の視点からもそんな監督の姿が描かれています。

では、一貫して謎めいていて、それこそ“つまらない”人だったのか・・・?

決してそうではありません。
その“真相”はぜひ作品を読んで味わっていただきたいです。

私も小さい小さい話ですが、誰かを率いて仕事をしたことがありますし、それからもそうでしょう。
だからこそあれだけのチームを率いてきた落合さんの気持ち・・・を想像することができました。

わかってもらえないことの“孤独感”は如何ばかりだったのでしょうか。
それを思うだけで胸が苦しくなりそうです。
そんな中で結果を出し続けて、挙句にチームを去らなければならなかったという事実。

本当に思うことがたくさんありました。

でもふてぶてしく監督として強く振る舞っていたあの姿・・・もう一度見たいなぁとこの本を読んで思ってしまいました。

今だからわかること。
今だから興味があること。

いいタイミングでいい作品を読むことができました。

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