こんにちは。広島で遺品整理業を立ち上げたはっぴいえんどの西本です。
連日更新しているこのブログですが、時にご感想をいただけることがあります。
今日もご感想をいただいて気分が高揚しています。少しでも楽しめたり、“へぇ”と思ってちょっとした知識になったりできればこれ以上嬉しいことはありません。これからも書くことを楽しみながら続けてゆきたいと思います。
さて、こちらは宣伝となります。
本日(9/8)連載しているコラムが更新されました。
以前にもこのブログで紹介した「介護の三ツ星コンシェルジュ」というコラムサイトでの連載です。このコラムでは講談の魅力について書かせていただいています。
もしお時間があればこちらからそのコラムを読むことができますのでお読みいただけると嬉しいです。
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“第三回 心揺さぶられる講談の魅力とは”
ということで今回の読書日記は新作コラム更新を記念して、こちらの作品を紹介したいと思います。
今回の作品は、二代目神田山陽著『桂馬の高跳び 坊ちゃん講釈師一代記』です。
今後連載中のコラムでも取り上げる予定もあるのですが、この読書日記でも是非とも紹介したい素晴らしい作品ということで取り上げました。
著者は二代目神田山陽という講談師です。2000年に亡くなっている講談会の大師匠です。
この作品は二代目神田山陽が1986年に発表した自伝です。
ただしばらくの間は廃刊となっていて昨年12月に復刊されました。
その復刊に尽力されたのが、写真にも映っている六代目神田伯山先生です。神田伯山先生はこのブログでも何度も取り上げている今をときめく講談師です。
故二代目神田山陽は神田伯山先生の大師匠・・・つまり伯山先生の師匠の師匠にあたる人物です。
伯山先生の人気とともに講談が脚光を浴びている中、かつて大活躍した伝説の講談師の自伝が現代に復活したという話です。
内容は明治4年に生まれた二代目山陽が子供の頃からを振り返る自伝です。二代目山陽は出版社を興し中国大陸でも事業を拡大している事業家に生まれました。いわば、“お坊ちゃん”です。そのお坊ちゃんが過ごした青春時代は豊かな戦前の東京。ダンスや恋愛などに興じる青年がいかにして講談師となってゆくかが語られます。
父から出版事業を継いだ“若旦那”である後の山陽が釈場と呼ばれる講談専用劇場の運営に首を突っ込み、どんどん講談にのめり込んでゆく姿
自分のやりたいことに金や時間を注ぎ込みすぎて本業の会社が傾いてゆく姿
そして時代が戦争へと突入してゆく景色
戦後は荒廃した東京の中で講談を再興してゆく姿
講談人気が下がり後継者がいなくなってゆく中での山陽の努力
・・・すべての場面が濃厚でまるで講談を聞いているかのようです。
この物語の面白さ、豊かさはぜひ作品を読んで味わっていただきたいと思います。
この『桂馬の高跳び』という作品は他にも味わい深い魅力がたくさんありました。
まずは戦前の東京の姿ですね。
みなさんは戦前の本当の国民の生活や街の景色がどんなものだったか、ちゃんと想像したことがありますか?戦争という大きな出来事の影に隠れてこの辺りの“生きていた”町の姿は忘れられがちです。この作品では当時の国民生活や東京の姿が“生き生き”と描かれています。
後の山陽はとにかくダンスが好きで、暇させあればダンス教室へ通いダンスの先生としてご飯を食べてゆきたいと思っていたそうです。戦前の話です。家での会話や会社での会話もおおらかで微笑ましい。記述からは戦前の生活水準はおそらく現代とそれほど変わらないはずです。イメージからは意外な感じがしますね。
このような“生きた証言”が現代に復活したということも意義があったなぁと思います。
そのほか、二代目山陽の生き方自体が講談という伝統芸能のイメージを覆していることがとても意義深いと思います。二代目山陽は本来の“王道”ルートで講談の世界に入ったわけではありません。二代目山陽のような“異端児”を受け入れる寛容さが昔の講談界や寄席の世界には存在していた事実。伝統芸能といえば敷居が高くて固いというイメージがありますが、案外そうでもなかったのだなぁという発見。とても爽快です。
この時代に二代目山陽という人物が存在していたからこそ、現代に六代目伯山という講談界を一気に活況に持っていった革命児が登場してきたのだないうところまで、この本を読んでいると見えてきます。
そして埋もれていたこの作品を現代の革命児・神田伯山先生が復活させたという物語自体がとても感動的に思えます。まるで輪廻転生です。
やや熱くなりましたが、今の時代に読むからこそさらに意義深くて楽しいこの作品。
ぜひ読んでみてください!
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