“If”というロマン

こんにちは。広島で遺品整理業を立ち上げたはっぴいえんどの西本です。

「歴史にifはない」

とは言いますが、人間はどうしても別のシナリオを考えてしまうものです。

もし◯◯をしていたら
もしあの日、あそこの角を曲がっていたら
もしあの時にあの一言を言わなければ

誰もがそんなことを抱えながら生きています。
こういう時の想定って必ず“後悔”を伴っているんですよね。ある意味当然で、後悔をしないのであれ“if”なんて考える必要ないわけですもんね。

では歴史上の“if”ってやはり“後悔”を伴って考えられているのでしょうか。

坂本龍馬が暗殺されずに明治を迎えていれば・・・・
織田信長が天下を統一していれば・・・

ここまで書いて、中学3年生の時の不思議な体験を思い出しました。
当時の私は『異戦国志』という本のブームにありました。
おそらくこの作品のヒットがきっかけで学研さんが歴史群像新書を大々的に展開していったはずです。
当時の私はそんなことは全く知らず、たまたま本屋さんで手に取って読んでみたらめちゃくちゃ面白かったという話でしかなかったのですが・・・。

『異戦国志』は“織田信長が本能寺の変を生き延びていたら”というif物語です。
以前にも書きましたが学生時代の私は歴史オタクです。“if”なんて意味ないなぁと思いながらも読んでみたら怒涛の展開に圧倒されました。

これがなぜかクラスの中でブームになり、私の本をクラスの男子中で回し読みされまくるという不思議なことが起きました。『異戦国志』は小説です。活字です。それがクラスで流行るってとてもヘンテコだなぁと思っていましたが、それだけあの作品には魅力があったのだと思います。

私が思う、歴史上で最もロマンのある“if”は

豊臣秀頼がちゃんと成長して歴史の表舞台に登場していたら

です。豊臣秀頼とは豊臣秀吉と淀君の子どもです。大坂の陣で徳川家康に攻められ淀君と共に若くして果てた人物です。豊臣秀頼は22歳でこの世を去りました。関ヶ原の合戦後、天下は徳川家康が取り、秀吉の息子・秀頼の存在は微妙な立ち位置に追いやられていました。家康は天下統一を果たした豊臣秀吉の遺言を反故にする形で天下を奪ったと言えるわけで、その息子・秀頼の存在は邪魔だったわけです。関ヶ原の合戦から大坂の陣への年月はわずか15年で、豊臣秀頼はやっと大人になったところで家康に討たれたのです。

豊臣秀頼は実際には才覚のある武将だったのか。

これは謎に包まれています。当時すでに天下をとった家康に敗れたのは秀頼の実力云々とは関係のない話で、時代の流れとしか言えないものです。誰も味方しないわけですから、秀頼がどれだけ優秀な武将であったとしてもどうにもならなかったはずです。

そう考えると、豊臣秀頼の本当の実力は今となってはわからないのです。だからこそロマンある“if”が生まれる余地がある。これは“後悔”を伴う“if”ではありません。

それから何年も経った2017年。
NHKで放映された大河ドラマ『真田丸』。この作品で、豊臣秀頼は重要な役どころで登場します。主人公の真田幸村は大坂の陣で活躍し討ち死にした武将ですからそれはそうです。

『真田丸』で描かれた豊臣秀頼は凄まじく立派で優秀な武将でした。俳優の中川大志さんが演じていましたね。

徳川家康は初めて豊臣秀頼に会ったときにその才覚に気づき、それを恐れ、秀頼を討つことを決意したというストーリーでした。このストーリーは山田風太郎の『人間臨終図巻』にも書かれており、大方の定説といっても良いのかも知れません。ドラマで描かれていた秀頼はあまりに爽やかで颯爽として“かっこいい”人物として描かれていました。

なぜかそれを見た時に、涙が出るほど嬉しかった記憶があります。脚本家の三谷幸喜さんも同じ“ロマン”を抱いていたのだなぁと思って感激したのです。


人には語られない歴史があります。
そしてそれを“if”するときは豊臣秀頼のように前向きに、そしてロマンで溢れるように思いたいものです。
後悔とは無縁の“if”を考えながら。



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