こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。
昨日のブログでも書いたように(2/1UP「石原慎太郎さん死去」)、今回の読書日記は石原慎太郎さんの作品を取り上げたいと思います。
次回も石原作品を取り上げようと考えているのですが、今回は石原さんの“晩年”の思考を知ることができるエッセイを紹介します。次回は石原さんの小説作品をご紹介しますね。
石原慎太郎著『老いてこそ生き甲斐』。
この作品は2年前に書き下ろしで発表されました。
石原さんが87歳の時に書いたエッセイです。
実は「老いてこそ」という枕詞が付いている作品は他にもあります。
『老いてこそ人生』という作品でこれはベストセラーになりました。売れたんです。
これは2002年に発表されていて、当時は石原さんが東京都知事をしながら書いた老いに関するエッセイでした。
老いに関するエッセイとはいえ2002年当時の石原さんはまだ60代終盤でした。
老いてゆくことの豊かさ、前向きな気持ちを書いた『老いてこそ人生』という作品は、多くの人たちに高齢社会へ突入することへ勇気を与えたのではないかと思います。当時大学生だった私もこのエッセイ集を読んでいて、歳をとることへの想像を逞しくした覚えがあります。それは今でも変わらないかもしれませんね。
そして今回紹介するのはベストセラー『老いてこそ人生』の続編とも言える『老いてこそ生き甲斐』です。
石原さんは本の冒頭で『老いてこそ人生』のことに触れ、60代後半で老いについて書いたことを“まだまだ”だったという内容のことを書いています。つまり、87歳で書く『老いてこそ生き甲斐』はこれこそ80代で書く“老い”の本質であることを高らかに宣言しているのです。
考えてみれば87歳にして本を書いているということが凄いです。
87歳の人生論というだけで読む価値があります。
石原慎太郎という偉大な作家の最晩年の思考を覗くことができるというだけで十分価値のある作品です。
石原さんは“老いる”ことをいかにして受け入れてゆくかを日々自答しながら前進してきたのだなということが窺えます。
序盤で石原さんが出会ってきた友人たちの生涯について触れています。
三島由紀夫、西部邁、江藤淳など石原さんと親しかった作家・思想家たち・・・皆さん自分で命を絶った人たちです。
そんな石原さんの友人たちがどのような気持ちで自ら命を絶ったのかに石原さんなりの答えを出しています。
それが“老い”の捉え方と密接に関係していると石原さんは結論づけています。
詳しくはぜひ作品を読んでいただきたいです。
ひとつ言えるのは三島由紀夫や西部邁とは違う人生を石原さんは受け入れ続けたということです。
石原さんは“老い”を受け入れ、“老い”をどうすれば前向きに捉えられるのかを考え続け、自分で命を投げ出すことはすることはない・・・その思いを本で綴っています。
そして昨日の最期を迎えたわけです。
この本で語られていた石原さんの葛藤や前を向くことへの励まし、克服したこと悩んでいることなどなどが昨日の石原さんの死によって心にグッときます。すごい晩年を迎えていたのだなぁと思いました。
ただ、この本に書かれていることは石原さんだからできる特別なことは書かれていません。
それぞれ読む人の人生に置き換えることができるように書かれています。
「僕にもできる」「私にもできる」と思える“老い”の受け入れ方が書かれているのです。
『老いてこそ生き甲斐』は石原さんの最期の人生論だったのだなと今では思います。
87歳の石原慎太郎の言葉、これが後世に残ることって素晴らしいです。
是非是非読んでみてください。
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