今週の思っちゃった25

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

今週の思っちゃったはこんな記事を見つけましたので、この記事を“酒の肴”に色々書いてみたいと思います。
随分とクダけた言葉が使われていますが、このツイートは広島の地元紙・中国新聞の若者向けのアカウントが発しているものです。

「ES」とは「エントリーシート」の略で就職活動で学生が企業に提出する自己アピールのための書類のことです。
「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」の略だそうです。エントリーシートでよく設定されている質問事項の代表格がこの「ガクチカ」です。学生時代にどんなことをしてきたのかを企業側が学生に質問して、学生はその内容をいかに充実させるかを就活で競っている現実があるわけです。

自分自身も経験がありますし、若い人たちからもこのエントリーシートの相談を受けたこともあります。

この「学生時代に何をやっていたか」という言葉は、凄まじいほどに設問をしている企業側とそれに答える学生側に“勘違い”の溝を生んでいますね。



その溝こそが今回の最大の議題ですが、その前にこの記事ではコロナ禍のせいで学生が「ガクチカ」を書くことができない。書くネタがないということをまず嘆いています。

確かにこのコロナ禍、すでに3年目に突入しようとしています。
ということは、学生にとって3年が失われようとしているということです。

3年間とは、中学校や高校の時間“まるごと”ということです。

中学や高校といった人生における“一時代”がリモート授業であるとか、修学旅行がないとか、体育祭がないとか・・・そんな時間であったということになります。

その喪失たるや・・・・大人は恐怖のあまり、若人のとても大切な時間を・・・それ以上に大切な何かを奪い続けているのではないかと・・・これを考えると絶望的な気持ちになります。

それは就活を控えた大学生にとっても同じことです。
大学時代も4年しかありません。コロナ禍が始まった頃に大学生になった学生たちももうすぐ3年生ということになりますか・・・。

書きながらこの埋めようのない喪失感に恐怖感すら抱きますし、申し訳なさすぎです。

大人ってなんだろうと思います。
社会ってなんだろうと思います。



この思いを重く抱くと同時に、この記事には“就活”という学生にとっては“一大事”に思えるターニングポイントについて語られています。


コロナ禍で失われた若者に時間の価値には同情を禁じ得ないですが、それが「ガクチカ」のネタがないという就活におけるテクニック論に結びつけることには「なんだかなぁ」という違和感を感じてしまいます。

それって何かというと、採用側になったことがある私からは「ガクチカ」なんて見ていないですよという話です。

記事によると、「ガクチカ」を作るために色々活動するんだそうですよ。実際それを気にしている学生にも会った事があります。実際、私も「ガクチカ」を真っ黒に書いたエントリーシートを見た事があります。

しかし、採用側として印象に残った「ガクチカ」など一つもありません。
はっきり言って何も記憶に残っていません。
読んでなかったのかなぁ・・・。

そうです。
学生が就職するために必死に作ろうとしているものなんて企業側は見ていないという事なのです。

だからこの記事みたいなことは「悩む必要はないですよ」という結論です。

では、採用側は何を見ているのか?
もちろん採用するのは人間ですから、置いている基準は色々あるでしょう。

しかし確実なのは、“テンプレート”はすぐわかっちゃうし、それは飽き飽きしているということでしょうか。
エントリーシートって研究され尽くされているのか、パターンが出来上がっています。
そのパターンに「ガクチカ」を載せているだけなので読む気がしないのです。

昔、エントリーシートで悩む学生にこうアドバイスした事があります。

雑誌のロングインタビューみたいに自分語りができれば合格。

何をやっていたかなんてどうでもよくて、仮に何もしていなかったとしてもそれを自分の言葉として語れれば採用側はそちらを採用します。

テンプレートではない、自分の言葉で話をする事ができればそれで十分採用に値する“逸材”です。

私はその視点だけで学生を見ていました。
それはエントリーシートでも面接でも同じでした。
テンプレートじゃない言葉は聞いていればわかります。
だから必要なのは“語れる”ことでしょう。

家族でも友達でもいいから、何かについて自分の言葉でそこそこ喋れればOKです。

学生時代は会社の面接官や社会をとても高い壁だと思いがちです。

しかし、面接官もそこらへんのおじさんですし、実は案外大した人物ではありません。
そして社会も大した事ない。
ニュースを見ていればわかるじゃないですか。
こんなのが大人ですよ?
こんなのに合格とか不合格とか言われたくないですよね?

不思議と就活では“合格”という人質が取られているので、そんな簡単なことがわからなくなります。
実は“大人なんてこんなもの”という馬鹿みたいに単純な“真実”を喝破している学生が自分の言葉で立ち回りができるのだと思っています。

学生も就活生もある意味で大人を“ナメて”頑張ってほしいですね!


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