心掻きむしる講談を聴いた

こんにちは。広島で遺品整理業を立ち上げたはっぴいえんどの西本です。

私は、「介護の三ツ星コンシェルジュ」というサイトで講談の魅力を語るコラムを連載させていただいているのですが、昨日(8/27)神田伯山先生の講談を映画館に見に行ってきました。

お笑い芸人の爆笑問題さんが登場するお笑いライブ「タイタンライブ」。2ヶ月おきに開催されているのですが、東京へ行けない人たちのために全国の映画館で生中継を繋ぎ、同時上映をしています。それを「タイタンシネマライブ」と言います。そのライブに神田伯山先生がスペシャルゲストとして登場しました。昨日のことは芸能記事にもなっています。
はっきり言って、圧巻でした。
凄すぎて言葉にならない、他を寄せ付けない圧倒的な世界観を“語り”ひとつで表現していました。

披露された演目は全19席あるいわゆる“連続物”『慶安太平記』の第14席『鉄誠道人』という作品でした。


神田伯山先生のファンとなり、講談を聴くようになってまだ1年半程度です。
YouTubeの「伯山ティービー」や神田松之丞時代のCD、春には東京の寄席に行って生で伯山先生の講談を聴き、どんどん伯山先生の表現に魅了されているのですが、今回はさらに惹かれるど迫力の公演でした。

『慶安太平記』は由井正雪という江戸幕府を転覆させようとする“悪人”が主人公の物語です。

今回、伯山先生が熱演をしてくれた『鉄誠道人』は正雪が幕府転覆の資金を集めるために壮大な計画を実行するという話です。その中で、騙す側、騙される民衆全てがどす黒くて醜い感情を露わにします。それを表現する伯山先生の迫真の語り・・・・ダークで、荒くて粗暴な感情が渦巻いてゆく様が凄まじい“語り”で表現されるてゆきます。


そのど迫力の語りに私はずっと興奮して鳥肌が立ちっぱなしでした。
ダークでどす黒い感情に引き込まれてゆく、まさに地獄に引きずられてゆくような気すらしました。


あえて言いますと、私はあのどす黒い群衆の感情に“現在”を見ました。
どこかで見たことあるなぁ、、このダークな群れ・・・なんて感情が浮かびました。
黒くて嫌な感情が誰か1点に向かうというシーンなのです。そしてそれが祝祭として描かれるのです。
何だか“現在”でもありますよね、そんなシーン。

“しゃべる”という表現でここまで心を掻きむしり、それを映画のように見せてくれるという・・・この凄さはぜひ体験してくださいとしか言えないです。

この体験はまた「介護の三ツ星コンシェルジュ」のコラムでも書くことになるでしょう。今回はあまりの興奮に思わず書いてしまいました。

最後に、神田伯山先生のあまりにすごいダークな語りはyoutubeでも見ることができます。
「伯山ティービー」にある『畔倉重四郎』という講談。これも19席ある連続物の大作です。
下に貼り付けますので、ぜひ見てみてください。魅了されますよ!

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