こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。
１８日金曜日に行ったASKAさんのコンサートについての感想です。
『ASKA premium concert tour -higher ground-アンコール公演』
「higher ground」ツアーは２０１９年から２０２０年にかけて行われたコンサートツアーのタイトルです。
ASKA+バンド+ストリングスの“三位一体”のライブ。
ASKAさんも含めて総勢２０名による大迫力の演奏が“ウリ”のコンサート。
ASKAさんの声、選曲、サウンド全てが“過去最高”と言われ大評判でした。
しかし、ツアーのラスト２本の大阪・熊本公演がコロナ禍によって中止になりました。
私も大阪公演のチケットを持っていたのですが、結果として返金となりました。
大評判だったが道半ばで中止になったコンサート。
そのリベンジとばかりに行われているのが“アンコール公演”です。
と言いながら内容は前回とはほぼ変わっていて、前回ツアー以上の満足度でした。
ネタバレしてはいけないので具体的な曲については触れません。
ただ、長年ファンをしている人からは“ここまでやるか”というほどのASKA味満載の曲たち・・・。
これはファンの方なら絶対わかっていただけると思うのですが、ASKAさんの曲にはライブの最後に歌うにふさわしい“テーマ”と格式を持った曲がアルバムに１曲は必ず存在しています。すごい時はアルバムに２曲ある時もあります。
その“ラストにふさわしい”壮大曲をライブの中盤に全部並べたらどうなるか？を試しているような構成でした。
映画でいえばクライマックスを永遠と見せられているようなものです。
ASKAさんのコンサートは言ってみれば、そのラスト曲に向けて盛り上がってゆくのが最大の特徴ですから、今回の公演はそれがずっと畳み掛けられているようなものです。
それはつまり、ずっと泣いているということになります。
各年代で発表されてきたASKAさんの哲学や人生観が反映されてきた“ラスト曲”たちが一同に会している。
それを聴いてきたファンにとっては人生を人生を伴走してきて励ましてもらってきた曲たちということになります。
それが時代や年代を超えて“今”のASKAさんが圧倒的に歌ってくれる。
聴きながら学生時代を思い出したり、社会人になってこの曲で励まされたということを思い出したり、１ページ１ページをASKAさんの曲と生きてきたということを実感できる時間。
それは私にとっては強烈なほど濃密で、感動的でした。
そしてそれを誇りに思える時間でした。
人生って“if”はないので、ASKAさんの音楽に出会ってなかったらという仮定が考えられないのですが、出会ってよかったと心から思いました。
若い頃は最新曲を聴くことがとにかく楽しみで、ライブでヒット曲を聴くのも鬱陶しくなるくらい新曲を求めていました。
新しいことが何よりの善でした。
しかし歳をとると、過去の曲も“今”歌われることで過去の自分を思い出さされながら新たな気持ちにもなるという新しい感触が生まれています。その感触は“また明日からも頑張らないとな”という力に変わっています。
歳をとるのも悪くない。
分厚い人生と歴史。
そしてそれが“悪くないなぁ”と思える時間が今のASKAさんのコンサートの醍醐味です。
そして、それが私一人ではなくて、きっと会場に来ているお客さん全員にそれがあるんだと思うとこれがまた感動的なのです。
ひとつひとつの人生や物語が、ASKAさんの曲と歌とバンドの演奏を通じて掘り起こされて明日に向かってゆくような場所だと思います。
そして何より・・・歴史といえば。
ドラムのSATOKOさんの演奏には泣きました。
昨年亡くなったドラマーの菅沼孝三さん。
孝三さんが亡くなった時の思いはこのブログでも書きました（「孝三さんありがとうございました」「「またな」と言える強さと優しさ」）。
孝三さんの娘さんであるSATOKOさんが今回のツアーには参加されています。
ライブには孝三さんを想う時間がありました。
涙無くしては見ることができない時間でした。
長くチャゲアスのファンをしているから思い入れは半端じゃありません。
時が経ち、SATOKOさんのドラムを目の前で聴くという“今”。
込み上げてくるものがありました。
終わることの寂しさと、つながれゆくことの偉大さと希望みたいなものを同時に見ることになりました。
また行きます。
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