読書日記 第13回 『天皇論 平成29年』

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

先週に続いて1日ずれました読書日記。
今回は一昨日、昨日の流れがあるのでこの作品を取り上げたいと思います。

『天皇論 平成29年』小林よしのり著を紹介したいと思います。
先日来、小室圭さん眞子さんのご結婚に関するブログを何度か書いていますが、その理解のベースにあるのがこの『天皇論』という名著です。

※過去の小室圭さん眞子さんに関するブログはこちら。
「今週の思っちゃった⑩(10/3)」
「眞子さま小室圭さんご結婚おめでとうございます(10/26)」
「想像する(10/27)」)
日本に生まれると生まれた時から天皇という存在がいるわけですが、その天皇についてきちんと考えたことってあるでしょうか?
こういう質問自体使い古されていて面白味も何もないなぁと自分では思うのですが、実際、“天皇って何?”“皇室ってどうして存在しているの?”とちゃんと考えてみたことってそんなにないのではないでしょうか?

天皇という存在を知ったのはいつでしょうか?
天皇って何をしているのかっていつ勉強したのでしょうか?
その意味って教えてもらいましたか?

この『天皇論』は2009年に発表されています。
上に書いたような天皇についての素朴な疑問からスタートして、重厚な天皇と皇室の歴史や意義を楽しみながら学べる作品として描かれました。小林よしのり作品は漫画であるにも関わらず知識量が膨大で文字も多いから「大学生でも読めない人がいる」と冗談めかして言われるくらい重厚だったりするのですが、ちゃんと読めば、身近な視点から始まってスケールの大きな場所へ連れて行ってくれます。

小林よしのりが天皇を意識したのはプロレスの試合を見に行った時の“国歌斉唱”だったそうです。そんなエピソードから始まり、初詣やしめ縄、鏡餅など身近なものが天皇に繋がっていることを明らかにします。そこから昭和天皇をはじめとする数々の皇室をめぐる歴史なども綴られます。

天皇を考えるのに最適な本がこの『天皇論』です。どうしても天皇を語る書物はハードルが高くてとっつきにくいのですが、この作品はその辺りのハードルに細心の工夫がされています。

2009年当時もベストセラーになったこの『天皇論』ですが、この作品はその後大きな論争を巻き起こします。それは作中に“将来の女性天皇”を認めてもいいのではないかという提言があったことにいわゆる“保守派”から批判が巻き起こったのです。いわゆる“女系天皇論争”です。当時、「あの女性天皇のくだりさえなければ名作なのに」って言っている保守言論人がたくさんいましたね。

あれからいわゆる“女系天皇”を認めるのか認めないのかという論争は今現在まで激しく続いています。
これも将来の日本を左右する大きな課題です。
この論争に関心がある人も『天皇論』はおすすめです。


今回紹介している『天皇論 平成29年』は『天皇論』を加筆されて2017年に発表された作品です。

皆さんもお忘れではないでしょうが、現上皇陛下が天皇をご退位したいと声明を発表されたのが2016年(平成28年)のことです。この加筆版『天皇論 平成29年』は当時の天皇陛下の“ご退位”に関する会見から始まります。

あの“ご退位”から令和という時代が到来することになったのですが、それまでには皇室と政府による水面下の“戦い”があったことをご存知の方は多くはないのではないでしょうか。

時の総理大臣はあの時の天皇陛下の“ご退位”へのお気持ちを聞くつもりはなかった。といえば激しい物言いですが、これは歴史にちゃんと残っていることです。その舞台裏がしっかりと描かれているのがこの作品です。


何気なく令和がやってきたわけではありません。
政府がめちゃくちゃ頑張って令和がやってきたわけではありません。


この作品は当時の天皇陛下の想いを世論を喚起して叶えるために書かれたという側面があります。
この辺り、読むと胸が熱くなります。そしてあの時天皇陛下の想いを阻もうとする輩が確かにいたということがこの作品を通して後世にその名が残るという仕組みになっています。


そしてもう一つ。
とても大切なことがこの作品には描かれています。
当時の雅子皇太子妃殿下についての話です。

今では誰もが何もかも忘れてしまっている感がありますが、雅子皇后陛下は適応障害で長い間苦しんでおられます。
雅子皇后が皇太子妃時代にどのようなことを受けてお心に傷を負われたかが克明に描かれています。
これは涙無くして読むことができません。
読むと、国民が寄ってたかって一人の女性を追い込む様子は絶対に忘れてはいけないと必ず思います。

そうです。すぐに眞子さんと小室圭さんを思い出すはずです。

美智子様、雅子さまと、2代続けて妃殿下バッシングが起きた。

お二人ともバッシングが原因でご病気になられた。

雅子妃のご病気は発病から13年にもなる。(2017年当時)

人身御供を出し続けなければ存続しない皇室ならば、なくなってしまった方がいいと言いたくなる。

実際こんな状態が続くなら、確実に皇室は絶える。

もしこのまま男系男子継承が維持されて、次世代の皇位継承資格者が悠仁様だけになったとして、ここにお嫁に来る女性がいるのだろうか?

(中略)

雅子妃が人生を振り返って「幸せだった」と言えずに終わるのであれば、それで皇室も終わる。

これほどまでに苦難を味わった雅子妃が「幸せだった」と言えるのは、どういう時だろうか?

それは、バッシングのすべてが誤解で不当だったことが明らかになり、雅子妃殿下は一貫して日本のためになりたいと願い、努力してきた誠実な人であるとことを全国民が知り、そして皇后陛下となった雅子さまに、心からの敬意の念を抱いた時だ。

そして、女性天皇が認められ、愛子さまが皇太子になった時である。

その時こそ、雅子さまの病は完全に癒え、それまでの苦難のすべてが報われたと思われるだろう。

そうならない限り、決して皇室に未来はない!

長い引用になりましたが、この文章は読むたびに胸が熱くなります。

するりと通り過ぎてきたかもしれない数々の皇室に関するニュースには壮絶なまでの物語があります。
そこに想いを馳せることも大切です。

ここに描かれた問題はまたも繰り返されました。

そんな今だからこそこの『天皇論 平成29年』を再び読む必要がありそうです。

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