こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。
最近ラジオを聴いた時の話をしましたが、今回もまたラジオを聴いて感じたことを書きます。
先週金曜日に放送された「吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD」。
吉田拓郎さんといえば言わずと知れた日本のミュージック史における大レジェンド。その拓郎さんはここ近年かつて自身がパーソナリティーを務めた「オールナイトニッポン」に月一パーソナリティーとして、第2金曜日を担当しています。
私が拓郎さんの音楽を聴き始めたのは大学生になってからです。
全盛期からは程遠くて、何しろ2000年代ですからかつて吉田拓郎の全盛を知っている人もどれほどの人が拓郎さんの音楽を聴いていたのかという時代ではあります。KinKi Kidsと一緒に音楽番組をやっているレジェンドのイメージが当時のパブリックイメージだったのではないでしょうか？
自分が好きになった日本のポップスの源流を辿ることに完全にハマっていた大学時代。以前のブログでも取り上げた大瀧詠一や加藤和彦もその時期に浴びるように聴いていたのですが、その中に吉田拓郎もちゃんと入っていました。（この頃は井上陽水や中島みゆきも聴きあさっています）
2003年拓郎さんが肺がんであることが発覚し、休養し手術をしています。その際のドキュメンタリー『豊かなる一日』という本は私が今まで読んだ本の中でもトップクラスの名作です。
そして2004年に拓郎さんは復帰をしてコンサートを行います。そのライブが収録された『豊かなる一日』は涙無くして聴くことができないほどの名盤です。
唯一の後悔は拓郎さんのコンサートを生で見ることが出来なかったことです。
“死ぬまでに一度は見ておくべき景色”というものが自分の中にはあります。その景色の一つが吉田拓郎のライブでした。しかし、2009年の全国ツアーを体調不良により中断をしてから全国でコンサートをするのを止めてしまいました。そのツアーのチケットが取れなかった私は結局コンサートを見ることないまま、拓郎さん自身の“コンサートの引退”を迎えてしまいました。
さて、そんな大尊敬する拓郎さんによる「オールナイトニッポン」。
毎月楽しみに聴いています。お互いに年齢を重ねたなぁと思うトークが本当に軽妙で面白いです。拓郎さんの音楽に魅了された人たちは本当に多くいらっしゃいますよね。このラジオにはそんなリスナーがたくさん集っていて、その人たちが各々の人生で拓郎さんの音楽がどんな風に鳴っていたのかが伝わって心が熱くなります。
そんな「吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD」。先週放送分は、上の記事にもあるように1975年に行われた伝説のコンサート「つま恋オールナイトコンサート」の思い出話が展開されました。
日本の音楽史にとって初の大型野外コンサートであった“1975年のつま恋”は超重要な出来事です。今のコンサートの雛形はここで出来上がったと言っても過言ではない、まさに歴史そのものです。文献もすでに多く出ていて私自身それを読んではいるのですが、拓郎さんの口から語られた今回の裏話はとても新鮮で驚くものばかりでした。
そして番組で少しずつ語られているもう一つの“目玉”は拓郎さんの“ラストアルバム”についてです。
そうです。
吉田拓郎は次にリリースされるアルバムを持って引退を考えています。
番組では「ラストアルバム」の進捗が毎回少しずつ語られています。
拓郎さんの新作を聴くことができるというのは本当に幸せなことで、なかなかこれほどワクワクすることはありません。しかし、それが次で最後であるという・・・・。
この嬉しさと寂しさがない混ぜになった感情をどう表現して良いか私にはわかりません。
ただ、拓郎さんご本人が語るこのアルバムへの想いがとても楽しそうで、軽やかで、聴いていると涙が出てくるんです。
1975年のつま恋コンサートや、ラストアルバム・・・拓郎さんは“終活”を意識しているのだなと思います。それが伝わってくるんです。聴いている周りは本当に寂しくて、リスナーからもそんな意見が届いているようですが、ご本人は“どこ吹く風”でそんなコメントを優しく笑い飛ばします。そこに拓郎さんの固い意志を感じます。
そんな拓郎さんの“終活”がカッコよくて仕方ありません。
日本の偉大なミュージシャンではこれほどカッコイイ終活に突入したのは拓郎さんが初めてではないでしょうか。
日本のポップミュージックを切り開いてきて何でもかんでも“初めて”を体現してきた吉田拓郎が最後にまた“初めて”を表現しようとしている。
私にはそんな風に見えています。
拓郎さんのコンサートは見損なった私だけど、この拓郎さんの“終活”はリスナーとしてちゃんと見ておこうと心に決めています。
そんな拓郎さんの“ラストアルバム”は来年夏頃の発売かなということが先週の放送で明らかになりました。かつて音楽番組を共にしたKinKi Kidsや篠原ともえたちもこのアルバムになんらかの形で関わるんだそうです。
時を経て、“過去”が再び集まり、何かが生まれる。
人生が積み重なるって素晴らしいなと思います。
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