9.11から20年-20年経ったことの意味-

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

このブログをアップしている今日は9月11日です。
そうです。20年前の今日はいわゆる“9.11”と呼ばれるアメリカで同時多発テロが起きた日です。

もう20年も経ったんですね。
当時の自分は大学3年生で、この同時多発テロが起きた日は、夏休み明けでゼミ合宿のために軽井沢へ向かうという日でした。
映画を遥かに超える衝撃映像に呆気に取られて、“まさに歴史が動いている”、“自分は世界史の中にいるのだ”なんてことを強く自覚しました。

自分が所属していたゼミは「憲法学」。
担当教官は保守論壇の期待の若手とされ、のちに安倍晋三著『美しい国』を書いた5人と言われることになる人物でした。ゼミはまさに政治思想を扱っていて、軽井沢でのゼミ合宿はこの同時多発テロを受けて日本はどうするべきなのかという議論一色になりました。


かつて日本には“政治の季節”と呼ばれる時代があり、若い学生が日米安保条約のあり方などについて本気で議論をして、中には実際にテロを起こし、日本を揺るがしていました。昭和の時代の話です。学生だった自分はあの頃の“政治の季節”で議論されていた内容には全く共感はできないものの、学生が真剣にこの国のあり方を考えているということ自体には尊敬の念を抱いていて、自分もアプローチは違えどもそんな学生でありたいと思っていました。

軽井沢でのゼミ合宿はまさにそんな“憧れの学生”の姿に近づけたのではないか・・・そんな熱のある時間だったと記憶しています。幕末の松下村塾でこれからの日本について議論する若者たちの姿にもなぞらえていました。そんな学生は当時であっても数は多いわけはなく、このゼミ自体が本当に少数だったのですが・・・私はとても有意義で充実した時間を過ごしました。


あの日の議論は鮮明に覚えています。




あの強烈な映像を見て、怒りに震えていたのは私たちゼミ生です。

「アメリカと歩調を合わせてテロ組織と戦うべきだ」と主張したのは私たち学生でした。

対して、先生は耳を疑うようなことを発言しました。

「アメリカは反撃を受けたのだ。やられるべくしてやられたのだ。歴史を見ればわかる話じゃないか」

この先生の発言に私たち学生は猛反発をしました。




みなさんはどう思われましたか?
実はこの2年後、大学を卒業するとき送別の食事会があったときに私と先生は同じ議論をしています。

その時は

私「日本はいつまでアメリカに追随しなければならないのか。アメリカからの自立を目指すことが歴史を見ても道理が通るというもの」

先生「それはまだ性急である。アメリカについて行って日本の懸案を解決してそれから背中を撃つのだ。」

こんなことを大学生が議論していたのかという疑問はさておき、主張の中身が2年で真っ逆さまに変わっています。

私はあの日の軽井沢での先生の話を聞いて、猛反発しましたし、“なんて人でなしなのだ”とすら思ったのは事実です。しかし、確かに歴史を紐解いてゆくと“テロから歴史は始まらない”のです。勉強してその圧倒的事実を意識の中に置きました。全てが何かしらの経緯があって事柄が起きます。

あの日の議論はアメリカが歴史の中で中東やアラブに対して何をしてきたのかを調べることのきっかけとなりました。そして派生して世界にある宗教や資源、国際紛争など今まで触れることのなかったことを学ぶことになりました。

そうすると意見を変えざるを得なかったのです。

一方で先生の意見が変化していたことにも背景はありました。
当時の政治の事情が言論人としての先生の発言を変えていたのでした。
(それは今の政治事情にもつながっていることだったりするので深追いはしません)


こうして振り返って20年も経っていると気づくことがあります。
“世界史的な怒涛の流れが生まれている時の感情論のゆくえ”です。

あの時って誰もがアメリカの正義を疑わなかったのではないでしょうか?今でもそんな人が多くいると思います。

今振り返ると、あの時はあまりに強烈な出来事のもとで感情が一方向に向くという現象が起きていました。

しかし一方で現実はそんなに単純には出来ていないということも真実だったのです。
先日も「今週の思っちゃった④」でも書いたように歴史は残酷にも後日談を残します。そしてそれが必ずしも当時描いていた正義とは到底思えなかったりする。


人はちっぽけだなぁと思うばかりです。
歴史の“最中”に実は冷静で正しい判断は下せないのではないかとすら今は思っています。
その後も世界史に残るような出来事を横目に人生を歩んできて今がありますが、世界史の“真っ只中”にいるときは本当に冷静にならなければならないなと思うようになりました。年齢を重ねてきて思うことです。


お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この20年前のストーリーはまさに今、現在起きていることの“メタファー”となっています。


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