自分へ返ってくる

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

週末は療養明けではあったのですが当初より予定していた東京へ行ってきました。
怒涛のスケジュールだったので療養によって失われた体力が心配だったのですが、なんとか帰ってくることができました。しかし体力の弱体とともに東京の暑さに散々にやられました。

ひとつひとつのスケジュールはとても充実していたのですが、何しろその合間の移動などが猛烈な暑さで激しく体力を奪います。体力だけでなく視力も奪うのではないかという瞬間もあっておそらく熱中症に片足を突っ込んでいたのではないかと思います。

暑さにやられている瞬間は“どうしてこんな時期にこんなことをやっているんだ”と後悔にも似た気持ちがよぎったりしましたが、終わってみれば充実した時間の方に価値を見出して暑さ地獄は忘れるという都合のいい心持ちでいられています。

初めてお笑いの単独ライブを見ました。
ニューヨークの単独ライブ「Last Message」。
恵比寿ガーデンホールでの公演でした。

お笑いの寄席は見たことがありましたが、1組の芸人が長時間に渡って舞台をする単独ライブは初経験でした。
まだ初経験が残っていました。
新鮮な経験を味わうことができて本当にありがたいです。

言ってみればコンサートみたいなものでしょうか。
ニューヨークの表現を2時間堪能するという贅沢な時間。

ニューヨークといえば、彼らが「売れたい」と叫びながら世間にPRしている頃に、その向上心がとてもいいなぁとファンになりました。ガツガツとした向上心は私にとってとてもエネルギーになります。

若い人を応援したい。
こんな気持ちです。

今やニューヨークは超売れっ子で、今年から売れた目の登竜門であるM-1グランプリやキングオブコントといったお笑い賞レースには出場しないそうです。もはや賞レースに出てなをうる必要は無くなりましたしね。そういう段階に入ったということなのだと思います。

「売れたい」と世間に噛み付いていた頃からは隔世の感があって、彼らが目指していたあの頃に今到達したということなのですね。

これは自分自身を鼓舞するためにもとても大切な想像力だと思っています。

若い人を応援しながら、心のどこかで自分へのパワーにしている感覚があります。

そんな売れっ子のニューヨークの表現が今回の単独ライブでした。
だから今や売れた彼らがどんな表現をするのかに興味がありました。
もちろん“売れてよかったね”というお祝いしたい気持ちもありました。

最高に笑わせてもらった2時間でした。

全てのネタや表現がニューヨークらしい毒に溢れた世界でした。
ニューヨークの魅力は誰もが思うちょっとした毒を素朴に表現するところです。
“ダサい”ことは“ダサい”とストレートに言ってしまう魅力です。

このニューヨークの魅力は実は今の世の中には窮屈になっているなぁと思っています。
コンプライアンスがありますから・・・言いたいことも言えないというそんな世の中。
しかも売れっ子だから言いづらくなっていることもあります。
そのやりにくさみたいなものはテレビでの彼らの活躍を見ていても感じることはあります。

窮屈だろうなぁ。

それが単独ライブという彼らの空間でどんなふうに表現されるのか。
ここに興味がありました。

大爆発していました。
しかもいい感じで幼稚な表現にならず、それでも確実に毒があるというギリギリの攻めだったと思います。

面白いはもちろんでしたが、表現がギリギリで上手なんだなぁと思いました。
そして笑いの中に間違いなく現代社会を覆うコンプライアンスという肩身の狭さに対する彼らなりの主張が散りばめられていたと思いました。まぁそれは“野暮”というものだと思うのでいちいち書くことはしません。

売れっ子となって保守的になっても良さそうな彼らが全くそんなことなく毒溢れる笑いを見せてくれたことがとても嬉しかったです。

無くしちゃいけないものがちゃんとあったのでよかったなぁと思いました。

そしてそれは自分に返ってくることだなぁとも。

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