読書日記 第28回 『チェルノブイリダークツーリズムガイド』

こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。

今回の読書日記は昨日のブログでも予告したように東浩紀編『チェルノブイリダークツーリズムガイド』です。
『チェルノブイリダークツーリズムガイド』は2013年に発表された作品です。

今、ロシアのウクライナ侵攻で再びその地名を聞くことになったチェルノブイリ。
1986年の原子力発電所での事故で人が住めなくなったチェルノブイリ。
放射能の恐ろしさが語られる時についてまわる“チェルノブイリ”という地名。
悲劇の地、恐ろしい場所なんてイメージが常に付き纏っている地名。

2011年の東日本大震災と福島での原発事故。
福島の復興を考える時に、この本を作った東浩紀さんは「現在のチェルノブイリはどうなっているのだろう」と考えました。それがこの本が作られることになったきっかけです。

日本では上記のような、おどろおどろしいイメージとなっていた“チェルノブイリ”という地名。

実際、行ってみた時の記録と関係者の証言と編者たちが考えたことで構成されているのがこの本です。

チェルノブイリは観光ができるようになっていました。

この本を読んだときの衝撃は今でも忘れることができません。
私自身、観光の仕事をしていたことは何度もこのブログで書いていますが、実はこの読書体験こそが私に観光という仕事に誇りを持たせてくれたのです。

どうしてチェルノブイリは観光地へとなっていたのか。
現地で活動する人たちはどんな表情をしているのか。
“死の地”となったはずのチェルノブイリが今、どんな表情をしているのか。

知っているようで知らない。
勝手にイメージだけ持っていて、実は全く違う表情を持っている。

この本には驚きと新たに発見することの喜びに満ちていました。

2013年当時の自分は“これからの福島”のヒントがこの本にあるなぁと思ったものです。

チェルノブイリが観光客を受け入れ始めた理由は“風化”との向き合い方がありました。
2013年当時に読んだチェルノブイリの“風化”に対する考え方。
明日は3月11日。あれから11年が経過します。
あの時読んだ、チェルノブイリの発見と、風化に対する恐れ。
明日を日本国民はどんな気持ちで迎えるのでしょうか。
今の福島に対して、自分を含めて一体何を知っているのか。
いろいろ考えます。

その一方で今、チェルノブイリ自体も戦争という危機に襲われています。
チェルノブイリは死地ではなく、とても素晴らしい表情を持っている土地であるとこの本で知ったからこそ、現在の状況に対する心配は半端ではありません。

あらゆる意味で今、再び2013年に発表された『チェルノブイリダークツーリズムガイド』を読む意味は高まっている気がします。

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