消えた“国民投票第1位”を探して
こんにちは。広島で遺品整理業を立ち上げたはっぴいえんどの西本です。
今回は前回(8/26)書きそびれた、印象に残った墓参りについてを書きたいと思います。
2019年に福岡を訪ねた時に訪れたのが下の写真です。
ずっと言ってみたかった場所です。
ここは福岡県福岡市博多区にある崇福寺(すうふくじ)です。 崇福寺のWikipediaをご覧いただくとお分かりいただけますが、崇福寺は福岡藩主・黒田家の菩提寺です。歴代の黒田藩主のお墓も数多くあり由緒正しいお寺であることがわかります。黒田家とはあの豊臣秀吉の軍師を務めた黒田官兵衛の血筋です。歴史好き、戦国時代好きにはたまらない家系です。 そんな歴史的にも由緒正しい崇福寺ですが、その敷地内にひっそりと、だが悠然とお墓が聳え立っている一角があります。それがその写真です。 頭山満と玄洋社 ご存知でしょうか? 頭山満ー。 Wikipediaにはこう書かれています。
頭山 満(とうやま みつる、安政2年4月12日(1855年5月27日) - 昭和19年(1944年)10月5日、幼名:乙次郎)は、日本の国家主義者、大アジア主義者。
1878年に板垣退助の影響で自由民権運動に参加して国会開設運動を行い、向陽社(のち共愛会)を創設したが、1881年に国会開設の詔勅が出ると共愛会を玄洋社と改名し、自由民権論から離れて国権伸張を主張し、大アジア主義を唱導するようになり、玄洋社の中心人物として対外強硬論を主張し続け、韓国併合などを推進した。号は立雲。
頭山満はペリーが来航した頃、つまり江戸時代が終わろうとしていた頃に生まれ、先の大戦の最中に生涯を終えた人物で、頭山の生涯そのものが開国後の日本の近代をカバーしているという壮大な人物です。 戦前、子供たちに“歴史上の人物で一番憧れるのは誰か”という問えば、ダントツでNo.1で頭山満でした。存命中でありながら伝記が書かれ、昭和天皇が皇太子でいらっしゃった頃に教育係として推挙された人物です。国民的な人気者でした。 現代でいうところの坂本龍馬的な人気だったのではないかと思います。そもそも坂本龍馬の人気は戦後に司馬遼太郎が『竜馬が行く』を書いてからなのです。 と、ここでぜひ“変な感覚”に陥っていただきたいです。 歴史上の人物っていつだって偉人ではないのか。 戦後に突如として超人気者になった坂本龍馬がいて、戦後になったら誰にも知られなくなった頭山満がいる。 作為的なものを感じます。 頭山満の生涯を紐解けば、この人物の面白さ、偉大さにひれ伏さざるを得ません。頭山は生涯、無位無冠を貫きました。なので、“頭山満って何した人?”って聞かれた時に簡単に肩書きで説明することができません。 伊藤博文が生涯最も恐れた人物 辛亥革命を起こした孫文が生涯をかけて尊敬していた人物 頭山の“恐喝”的一言が伊藤博文総理に日清戦争開戦を決意させたという伝説 大隈重信外相の条約改悪を阻止した来島恒喜による爆弾テロの黒幕と言われた人物 戦後、アメリカから右翼の頭目と見られ歴史から消された人物 教科書には載っていないゾクゾク、ワクワクするような伝説だらけの人物、それが頭山満です。 戦前の世界地図に思いを馳せてください。当時の世界地図はほぼ欧米列強の国旗が世界中を覆っていました。欧米列強以外の独立国といえば、タイと日本ぐらいです。そういう世界地図がついこの前まであったのです。 その世界地図に完全と立ち向かっていたのは日本という国家ではなく、頭山が所属していた玄洋社という福岡にある政治団体でした。朝鮮半島や中国大陸へ玄洋社の若い人たちが海を渡り、現地の独立運動を支援して一緒に戦っていた・・・などという話を聞いたことがありますか? 欧米列強に気を遣いながら外交を展開していた日本政府が、玄洋社の存在をどう思っていたか・・・。 こんなスケールがデカい人物がかつて存在していて、今は忘れ去られている。 こんなヘンテコで面白い話はないじゃないですか。 そんな戦前のスーパーヒーローの墓は黒田家のお墓とは全然違う場所にありました。しかし、そのお墓は写真を見ていただければお分かりいただけるように、とても猛々しいものでした。崇福寺に入り、頭山満のお墓を見つけるには少し時間がかかりました。広大な敷地のどこにお墓はあるのだろうか・・・という感じで探していたわけですが、遠くからでも“あれがお墓じゃないのか?”とすぐに思ってしまうような存在感が目に入ってきました。 死してなお誇り高く立っているように私には見えました。 しばらくそこから離れたくないと思い、1時間ばかりお墓と一緒に空を見ていました。 あの時見た空は今でも忘れていません。 忘れ去れた生涯って何なんだろう でもお墓は雄弁にその勇姿を表現していた きっとそんな一生がこの世界にはたくさんあるのだろうと思います。 尊敬の念を持ちながらそんな人生に出会えたことを嬉しく思いました。 これからもそんな出会いがあることを期待して前に進みたいと思います。
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