読書日記 第3回 『昭和16年夏の敗戦』①

こんにちは。広島で遺品整理業を立ち上げたはっぴいえんどの西本です。

水曜日恒例の「読書日記」です。
今回ご紹介する作品は猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』です。
混迷を深めるコロナ禍の日本でこの大名作を読むことは学びが多すぎてとてもいいことだと思います。
日本の8月といえばどうしても先の大戦のことを思い出さずにはいられません。
ましてや私がこうして仕事をしている場所は広島ですから。
その意味でもこの作品を読むことはとても意義のあることだと思います。
まずは『昭和16年夏の敗戦』の内容を紹介します。

日米開戦前夜。平均年齢三十三歳、全国各地から集められた若手エリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでも日本が開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視して無謀な戦争に突入したプロセスを描き、日本的組織の構造的欠陥を暴く。

『昭和16年夏の敗戦』の内容を分析する前に、まずは猪瀬直樹という人物について紹介したいと思います。多くの方は猪瀬さんのことはご存知でしょう。

元東京都知事のイメージが強いでしょうか?
それとも道路公団改革に尽力した姿をご存知の方はいらっしゃるでしょうか?

私は猪瀬直樹さんのことを尊敬しています。世間で溢れるイメージははっきり言って“もったいない”です。猪瀬さんは作家です。一部ではノンフィクション作家という人もいます。そうです。猪瀬さんが今まで書いてきた作品は事実の探求です。

『ミカドの肖像』ではプリンスホテルと皇族の切っても切り離せない関係を暴き
『土地の神話』では近代の鉄道国家日本が形成されてゆく光景を東急や西武などの群像から光を当て
『黒船の世紀』では日米戦争前夜の社会の空気を当時流行っていた大衆小説を追うことでで明らかにしました
『ピカレスク』では太宰治の生き方を詳細に紐解くことで太宰の“自殺”説へ強烈に切り込みます

これらの作品は日本の近代の“ディテール”をまるでミステリーを読んでいるかのような筆致で描き、ミステリーとも歴史小説ともノンフィクションとも表現できる唯一無二の作風です。

誰もが見落としてきた近代史の1ページを掘り起こし、そこからの教訓を鮮やかに映し出すのが猪瀬作品の醍醐味です。本当にスリリングで面白い作品が多くてどれをおすすめして良いか分からないほどです。

数多くの名作の中で世間から脚光を浴びたのが『日本国の研究』でした。霞ヶ関の官僚組織やその周辺の特殊法人の特異な生態を世に明るみにしたのがこの作品です。『日本国の研究』では林業系、警察系などなど各方面の税金の使い方が一般常識からかけ離れている不思議を次々と明らかにしました。その中の道路公団の闇はとりわけ話題となり、それに目をつけた当時の小泉純一郎総理大臣が道路公団の旗振り役として猪瀬さんを指名するに至るのです。

猪瀬さんは作家でありながら道路公団改革を進める民間からの委員になり、道路族や官僚との激闘の末、道路公団改革を成し遂げることになります。今、高速道路のサービスエリアにはコンビニやファーストフード店が軒を連ね、そのほかにも話題のB級グルメスポットになったりして活況を呈しているのは猪瀬さんの道路公団改革の成果です。作家が社会を現実に変えたという功績です。

その後、当時の東京都知事・石原慎太郎に請われ東京都副知事の座につき、石原さんの引退後は東京都知事の跡を継ぐことになります。そして2020年東京五輪の招致を成功させ、金銭受授疑惑により都知事の座を追われます。東京都副知事から都知事時代にも大きな功績を残しているのですがあまりに長くなってしまうので割愛します。

私は猪瀬さんの作家としての想像力を現実世界を変える原動力にしてしまうことの凄さを心から尊敬しています。あれこれコメントだけは立派にする人はテレビに溢れているけど、実際に行政の世界に飛び込み激闘を繰り返しながら社会を前進させた姿は尊敬に値します。


実際に行動して何かを残すことの大切さは私自身影響を強く受けています。


そんな猪瀬さんの数多くの名作の中で何かと取り上げられることが多い作品が『昭和16年夏の敗戦』です。この作品は1983年に発表されているのですが、何かと読み継がれ時代の場面場面で取り上げられています。普遍的な学びが散りばめられていてビジネスで政治でもどんなシーンでも参考にできる教えに溢れています。


ではそのすごい内容について熱を持って語ってゆきたいところですが著者の猪瀬さんの紹介が長くなりました。お時間が来てしまったようです。作品の内容について語るのは次回にしましょう。

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