こんにちは。広島で遺品整理業を営むはっぴいえんどの西本です。
今週も取り上げる記事はCOP26関連です。
先週の「今週の思っちゃった15」でCOP26について取り上げて、且つ“ここでの議論がなかなかニュースにならない”ことを指摘しましたので、今回とりあえず出た結論に触れないのはいけないだろうということで今回もCOP26についてです。
COP26は今後の脱炭素社会を目指すことの方向性を世界全体で話し合ってきました。
この記事のとおり、各国の思惑と環境問題への意識がピッタリ一致するなどということは難しく、激しい交渉が行われた“妥協”の結果になったことが読み取れます。
世界全体として、2050年までに気温上昇を1.5度まで抑えるという方向性は前回のCOP25で決められたものでした。
それを今回は具体的に各国がどのように行動をしてゆくかを話し合うことがテーマだったわけです。
その具体的な目標が「石炭火力発電の段階的廃止」を全世界で合意するということでした。
それがインドや中国の反対によって「石炭火力発電の段階的削減」という表現に留まりました。
EU欧州連合やスイスなどはこの結果に“失望”という表現を使っています。
“涙ぐむ”議長の姿に壮絶な外交の舞台裏が窺い知れます。
大変な交渉だったことでしょう。
しかし、このことを考えると複雑でなかなか単純に誰かを責めたり、“正解”を力説したりすることが難しいなぁと思います。
確かに“脱炭素”社会は目指すべき新しい世界のあり方ではあるでしょう。
その理念はきっと正しいのでしょう。
ただ一方でこうも思います。
反対したインドの立場になれば、散々石炭火力など石油も含めて炭素エネルギーを使いまくって発展してきたのはどの国なのだと言いたくなるでしょうね。
“脱炭素”を地球のために声高に叫んでいるのは欧州をはじめとする“先進諸国”が中心です。
すでに石炭・石油エネルギーを使うことで発展している国々です。
ただ、世界の大半はまだまだこれから経済的に豊かになろうと必死で成長をしている途中です。
そのためには大いなるエネルギーが必要です。
まさに彼らは石炭や石油に依存しながらまだまだ成長したい国々でしょう。
“地球のために”という大いなる理念と、“これから成長しなくてはいけない”というそれらの国々の希望と。
散々成長の恩恵を受けた国々が言えることと、これから成長という希望がある国が言いたいこと。
これが違っているのは考えてみれば当たり前です。
どちらが“正しい”とは言えないです。
この状態を前提として、それでも「2050年までには温度上昇を食い止めたい」という方向性ではかろうじて一致しているという薄氷を履む様な状態が今なのです。ひとまずそれを崩さず具体的に行動してゆこうと決めることができたのはすごいことだったと思います。
そんな中で、我が国がこの激しい国際会議の中でどれくらい存在感を示すことができたのか・・・・。
報じられている内容をいろいろ調べているのですが、今の時点ではよくわかりません。
ん?
確かに国民的にも“脱炭素社会=カーボンニュートラル”についての議論がされた形跡はありませんしね。
ついこの間、国会議員の選挙があって政策論争があったはずですが、これほど大切な世界的テーマについて何かを語っていた政党が果たしてあったのか、わかりません。お金をばら撒く話だけ花盛りだった選挙・・・。
ん?
そうは言っても、今回のCOP26が与える影響は無関心では済まないでしょう。
なぜなら“市場”が脱炭素社会を前提とした成長に向けて仕組みを整えてゆくからです。
投資などの分野はすでに脱炭素分野にお金が流れ始めています。
これはつまり脱炭素分野が“儲かる”“成長する”ことにつながることを意味しています。
そうなれば自然と社会はそっちへ向いてゆくことになります。
理念の舞台ではなかなか足並みが揃わなくても、経済分野は競争社会なので生き残るために結局は脱炭素社会に向かわざるを得ないということになります。
そうなることがわかっているなら・・・先にそちらに舵を切った方が“得をする”ことが多いでしょう。
それに気づく日本の経済であってほしい・・・と切に願います。
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